福岡県筑後市。筑後平野の中央に位置するこの地は、温暖な気候と肥沃な土地、清流にも恵まれた、いちご栽培に理想的な環境です。あつひろ農園が生み出したオリジナルブランド苺「みつのか」は、この土地でしか生まれ得なかった、一粒一粒に物語が宿るいちごです。
「やめておけ」と言われ続けた苗との出会い
みつのかの原点は、先代がある一粒のいちごに惚れ込んだことから始まります。
口に入れた瞬間、ふわりと広がる芳醇な香り。上品な甘さとやさしくとろけるような食感。「このいちごをもっと多くの人に食べてほしい」——その想いは強く、先代の心を離れませんでした。
しかしこの品種、「みつのか」は栽培が非常に難しいことで知られていました。水にも病気にも繊細で、少しの環境の変化にも敏感に反応する。周囲の農家や仲間からは「あの苗だけはやめておけ」と何度も止められました。収益を考えれば、もっと育てやすい品種を選ぶのが合理的な判断でした。
それでも先代は、諦めませんでした。
十数年の試行錯誤
栽培を始めてからも、苦労の連続でした。温度・水分・土壌のわずかな変化が品質に直結するため、試行錯誤の日々が続きます。うまくいかない年も、思い通りの実がならない季節も、何度もありました。
それでも先代が手放さなかったのは、みつのかの美味しさと香りへの揺るぎない確信があったからです。研究を重ね、この土地の気候や土壌に合った独自の栽培方法を少しずつ積み上げ、十数年という歳月をかけてようやく「みつのか」は安定した品質で実をつけるようになりました。
先代の情熱を受け継ぐ、若き農園主
その情熱と技術を受け継いだのが、現在30代の若き代表です。先代が築いた土台の上に新しい感性を加え、栽培から収穫、発送まですべての工程を自らの目で確認しながら、みつのかをさらに進化させています。
農薬や肥料に過度に頼らない減農薬栽培、ミツバチによる自然受粉、完熟のタイミングを見極めた厳選収穫——その品質はやがて高級レストランやホテルのシェフたちにも認められ、テレビ朝日や日経トレンディにも取り上げられるブランドへと成長しました。
一粒に込められた、長い物語
「やめておけ」と言われたあの日から、十数年。先代が惚れ込んだ一粒の美味しさと香りを守り続けた結果が、今のみつのかです。
つやつやと輝く大粒の果実、乳白色のみずみずしい果肉、口いっぱいに広がる上品な甘さ——その一粒には、長い年月と揺るぎない情熱が詰まっています。
特別な日の贈り物に、大切な人と分かち合う一粒に。ぜひ一度、その物語を味わってみてください。
